ある美容師さんからこんな話を聞いてショックを受けました。
「ヘナカラーの方が料金が高く取れるし、お客様も多い」のでヘナカラーをしているといわれました。
まず知って頂きたいのは「ヘナカラー」といわれている薬剤が
「ヘナだけ」なのか、それとも科学染料が入った「ケミカルヘナ」とか「ブラックヘナ」といわれる危険なヘナなのかです。
ヘナ本来は刺激も少なく安全性が高い。しかし「色の種類が少ない」「キレイな発色ではない」「退色しやすい」などの原因で、家庭で使う程度でした。
しかし、自然ブームでヘナが注目され、とうてい「ヘナカラー」とは呼べない法律違反品が出回るようになりました。トラブルも多く、しばしば厚生労働省などから摘発されています。
香草やハーブという名前から「植物性とか漢方生薬、やさしい」を連想し、体にやさしいイメージを持つ人もたくさんいらっしゃいます。
しかし「アルカリによる刺激がない」などの違いだけです。
「髪を染める成分」は通常のカラー剤と同じ。
なので、過大評価しないほうがいい。
それらの宣伝文によると「配合されているハーブ」の効果・効能を大きく宣伝していますが、その効果と「カラー剤の効果」は違います。
カラー剤そのものに効果があると読む人に錯覚させているだけなのです。
これはカラー剤だけでなく、化粧品など全般にいえること。
「配合した成分の効果と、配合された商品の効果はいっしょではない」のです。
この商品には「セージ」というハーブが配合されており、抗アレルギーや抗菌作用があります。
こうしたメーカーの説明を信じて、いままではわたしも商品を取り扱っていました。
でも毛髪の基礎から勉強をはじめて、「これらは商品を売るためのこじつけ理論」であることを知り、そのまま客に説明していたわたしが恥ずかしい思いでした。
多くの理・美容師は、こうした巧みな講習で、それが真実とおもっているのです。
ネットが発達し、専門知識をネットで得られる時代、こうした「売るための知識」はお客様ばかりか理・美容師も惑わされているのです。
人間の体は「元の健康な状態に戻す」働き=自然治癒力をもっています。
だからカラーなどで一時的にダメージを受けても回復させる力を持っているのです。
だけど25%の人は回復が長引き、5%の人はひどいダメージを受けるのです。
そのダメージが薄毛・細毛の原因にもなって、髪を細く、寿命を短くし、途中で抜ける、毛穴から1本しか育たなくなる、など進行していくのです。